平成19年2月2日、真冬の新潟県長岡市にて日本ケーブルテレビ連盟 信越支部/新潟県協議会 主催の「情報交流会」が開催されました。
その交流会で「3管プロジェクターと5.1chサラウンドによる本格空間」を構築して欲しいと新潟県長岡市のケーブルテレビ局 エヌ・シィ・ティ様よりEMC設計に依頼。
何と雪深い温泉旅館のサロンをハイビジョンシアターに変身させ、ケーブルTV業界の方々にSONY VPH-G90によるハイビジョン映像を体験していただきました。
映像シアター系(音声5ch) | |
プロジェクター | SONY VPH-G90 |
スクリーン | Stewart HD130 サウンドスクリーン120inch 4:3 |
DVDトランスポート | EMCdesign Figo |
Blu-rayトランスポート | EMCdesign Blu-rayFigo |
AVプリアンプ | EAD TheaterMaster 8000pro |
8chプリアンプ | BellTech 8P-A1 |
パワーアンプ (FrontLR,RearLR) |
Marantz MA-9S1 ×4 |
パワーアンプ(Center) | proceed HPA-2 |
マスターワードクロック | Lucid SSG192 |
スピーカー | ASCENDO SYSTEM C5 ×5本 |
サブウーファー | SAlogic D-cube TX |
SD-SDI D/Aコンバーター | SONY DMIF-1000 |
HD-SDI D/Aコンンバーター | canopus HDSC-1 |
ラインケーブル | EMCdesignオリジナル Linea |
デジタルケーブル | EMCdesignオリジナル Linea D |
電源ケーブル | EMCdesignオリジナル |
BNC75?映像ケーブル | EMCdesignオリジナル Linea V |
Dsub-5BNC映像ケーブル | WireWorld |
スピーカーケーブル | Belltech 201 Tera LAbs OMNI ST-8N |
映像送出機材 | |
VTR | SONY SRW-5000 (HDCAM SR) SONY様より機材・映像提供 |
VTR | Panasonic AJ-HD150 (DVC Pro HD) Panasonic様より機材・映像提供 |
VTR |
JVC HM-DHX2 (D-VHS) NHK技研様より機材・映像提供 |
HDD・DVD レコーダー | SHARP DV-AR12 ジュピター様より機材・映像提供 |
テスト機材 | |
マスターモニター | SONY BVW-D24E1WJ (HD-SDI入力対応) |
プラズマディスプレイ | VICTOR |
映像送出機材はNCT様の手配にて各企業様にご協力いただき、ハイビジョン映像素材の提供もご協力いただきました。
今回の情報交流会の会場は新潟県長岡市にある蓬平(よもぎひら)温泉 和泉屋さん。
今年は記録的な暖冬だったにも関わらず、交流会前日よりこの冬一番の寒気が日本を襲来!旅館周辺は一面の雪景色に変わり、なかなか情緒あふれる風景となりました。
実は写真の左端に写っている建物の2階部分が今回、私達EMC設計がセッティングする会場・サロン「清流」なのです。
今回のセッティングで実は一番苦労した部分と言ってもいいのがこのサロンの暗黒化。
南向きで3面に大きな窓がある非常に明るいサロンを、3管プロジェクターが投影出来るシアターに変貌させるという大変な作業からまずスタートしました。
サロンの暗黒化がまずまず進むと次はG90のセッティングです。
今回は情報交流会2日間だけの設置、イコール「仮設」なのは判っているのですが、やはり弊社では
「いかなる環境においても、その時、最高のパフォーマンスを創り出す」という信念があるので、少しでも良い環境を作り出す為には妥協をしません。
インストーラーM平のアイデアによって仮設とはいえ、何と温泉旅館の一室にG90の天吊りが実現しました。
このG90の設置が完了すると、後は他機材の設置及びセッティングだけなのですが弊社ではやはり「電源環境」にもこだわります。
和泉屋さんのご協力の下、より良い電源供給を実現するべくこちらも仮設ではありますが工事士naoにて電源工事を機材セッティング作業と平行して行います。
機材のセッティング、電源工事が完了するといよいよG90の調整です。
今回の入力ソースは以下の5系統。もちろん、ソース毎の調整が必要となります。
妥協することなく何度でも何時間でも調整を行い本番に挑みます。
機材のセッティングが全て完了し、いよいよ情報交流会の開始です。
今回の情報交流会では会全体の分科会としてハイビジョン映像の圧縮方法による画像の傾向などを
様々な送出デバイスで比較検証する、という趣旨で開催されました。
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まずは送出デバイスの違いによる映像の違いを検証する実験から開始。 こちらの素材はNHK様にて制作されたサラウンド再生のプロモーション映像であったので、音声に関してはNHK技研様よりご提供していただいたDENON AVC-M330より再生いたしました。 |
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G90での映像を確認した後、VICTORのプラズマTVにて同じ映像を送出デバイスの違いでどう見えるか検証します。 |
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次は圧縮方法による画質変化の確認です。 まずはハードディスクレコーダーに録画したディスカバリーHDのデモ素材。 |
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次にPanasonic DVC Pro HDの映像の確認。 |
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そして最後に現在市販された中で一般家庭に最も普及しているDVDの映像をEMC Design Figoにて検証。 |
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最後に次世代DVD規格の一つであるBlu-ray素材の映像をEMC Design Blu-ray Figoにて検証。 |
分科会自体は大体3時間ほどで無事終了いたしました。
参加者はみな放送局関係に勤務されている方ばかりでしたが、
きちんとセッティングされた3管プロジェクターの映像やサラウンド音声を体験するのが初めてという方が殆どでした。
また、これらのシステムをごく普通の方々が「より良い映像・音声」を追求する為に所有している事実にもかなり驚かれていたようです。
また、この分科会が終了後、別の交流会に参加されていた方々も交えて弊社代表の鈴木からもデモンストレーションを実施。
Figo、Blu-rayFigoからの映像を楽しんでいただき、今回使用した機材の説明や現在ユーザーが放送業界に希望している点などを話させていただきました。
今回弊社に依頼をしてくださったエヌ・シィ・ティのご担当者様より今回のイベントに関してコメントをいただいております。
依頼するに至った経緯や交流会の時の感想などをお聞きください。
新潟県のケーブルテレビ局は毎年この時期に集まり、番組供給者や機器メーカーと情報交流会を開催しております。
会議の主体は番組供給者のプレゼンなどですが、通信サービスを担当している技術者で分科会として、ハイビジョンの光伝送やモニターによる画質の違い、
一般的なMPEG2−TSと放送用VTRなどのデータレートの高い画像との差があるかの比較を目的として実験を行いました。
地上デジタル放送の開始に伴い、ハイビジョン画質の評価はケーブルテレビ局でも必須となり、
音声に関しても5.1chサラウンドが家庭に配信される環境となった現在、規格にのっとった環境での視聴体験は我々には必要な事と考えておりました。
巷では薄型テレビの画質をもってハイビジョンを見たと思っている方が大多数です。
サラウンドもとりあえずスピーカー5個とサブウーハーを置いて、前後左右から音が聞こえれば良い、というのが、一般の視聴者の関心度合いのようです。
ケーブル局の従業員や経営者でも、関心を持っている方はいるものの、ハイビジョンの品質や可能性を把握しているとはいえない状況です。
その評価画・音のリファレンスとしてEMC設計さんにプロジェクターやスピーカー・アンプそして電源までを面倒見ていただきました。
そして、実験の後は、せっかく作った環境なので、通信委員だけでなく、経営陣や営業担当も含めて、デモの画像をみせていただいたものです。
したがって、EMC設計さんの普段のユーザーのように自宅などで見ている画質・音質との比較で評価する視聴者とは違うと思われます。
ぱっと見た印象で判断する点では、ある意味きびしいユーザーかもしれません。
本来であれば、FIGOやBlue Ray FIGOの感想やG90などの感想を申し上げるところだと思いますが、
今回のデモンストレーションでは、ホームシアターに関心のある方だけでなく、そうでない方にもそのすばらしさを実感していただけた事が、大きな収穫だと思います。
会場を完全に暗黒化できなかったなどのこちら側の問題はあり、EMC設計の皆さんもその条件の中で満足いく調整ができたかはわかりませんが、
企画した私としては、画・音共に巷の水準を越える内容に感動していると共に、感謝しております。
そして、鈴木代表がデモンストレーションの際にお話された
「一般家庭でもこの品質で放送を見ている方がいます。送り出し側の方にはその点を承知いただきより良いものを放送していただきたい。」
という言葉は、ケーブルテレビ局の人間だけでなくこの映像を見た番組供給事業者や電気店の皆さんにも機会ある毎に伝えてゆかなければならない事だと感じております。
時間の無い中で仮設の電源工事をいただいたnaoさん
沢山の映像素材にあわせて調整漬けだったM平さん
こちらのわがままに最後までお付き合いいただいた鈴木さん
遠くから大雪の降る中深夜に来ていただいたTTpさん
今回は大変お世話になり、ありがとうございました。
交流会が終わると待っていたのは楽しい「懇親会」!!
そして美味しいお食事の後には蓬平温泉自慢の天然温泉が待っています。
こんなに素晴らしいオマケがあるなんて、お仕事に行っているにも関わらず得した気分になってしまいました。
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この広い宴会場に総勢100名!! | 素晴らしく美味しい和泉屋さんのお食事も堪能♪ なんとご飯は一人に一釜づつ、その場で炊きたてです。 |
そして一夜明けた次の日は前日の大雪が嘘のような快晴!
何もかもが素晴らしい蓬平温泉でした。
最後にひとこと・・・
今回エヌ・シィ・ティ様よりあった依頼内容は弊社が今まで受けていたものとは大きく異なっており、
そのセッティング方法やイベントの内容など全てにおいて今後の活動に生かせる大きな経験をさせていただきました。
弊社を信頼し、インストール依頼していただきましたエヌ・シィ・ティ様、機材をご提供いただいた各企業様、シアター設置において数々のご協力をしていただきました和泉屋様、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
EMC設計 スタッフ一同
視聴した皆さんの反応としては、大きく二つあるように感じました。
1、自宅にも40インチ程度の薄型テレビがあるものの、それとの違いがわからない人
2、画質・音質の違いを理解したかどうかは別として、映画やデモテープなどに見入っていた人
更に、上記の2に分類した人からは、
というような声が聞かれました。(ほんとはもっと沢山あったのですが・・)